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文献詳細

雑誌文献

臨床外科10巻12号

1955年11月発行

文献概要

綜説

歯科用手用リーマを使用したる四肢末端骨骨折の新固定法に就いて

著者: 弓山忍1

所属機関: 1広島三菱病院外科

ページ範囲:P.939 - P.944

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緒言
 近時新鮮骨折に対して,はなはだ積極的な観血的療法に依りて其の目的を達し,治療法の簡易化,治療日数の短縮,後遺症防止の諸点から従来施行せられていた治療法の諸点に改良が加えられ,骨移植,Künstherの金属釘及びKirschnerの鋼線に依る骨髄内固定法と治療面に飛躍的進歩を遂げつゝあり,又一方髄内固定鋼線,釘の材料研究も日を追つて遂次選択的改良が加えられつゝある現況である.四肢末端骨骨折に対しては,1947年より1952年に亘りWilson,Saal等に依りてKirschner鋼線に依る整復固定を試みて其の効果を挙げている現況であるが,材料選択等の諸点に於て尚一層考慮を要する点が有り,特に固定後の四肢機能恢復上からも一応見当を加えるべき点が多い.私は四肢末端骨々折に対して其の整復固定に一新法を考案し,昭和29年7月,第29回中国四国外科集談会に於て報告した如く治療面に多大なる成果を得,現在迄に約70例の多数の使用経験を見て,其の間種々なる合併症も無く,著るしい治療日数の短縮と後遺症防止に大なる成果を挙げた.長管状骨折に於ける髄内固定とは耿か其の趣きを異にし,四肢末端骨なる故に外化骨形成に依る骨癒合に多大の期待を持つ本法は,整復固定の理論上からもはなはだ意義ありて興味深いと考える.今各種部位骨折状況に対するリーマ選択と固定手技並びに其の使用効果に就いて述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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