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文献詳細

雑誌文献

臨床外科10巻13号

1955年12月発行

文献概要

綜説

血栓性静脈炎のビタミン・E療法

著者: 眞鍋欣良1

所属機関: 1広島大学医学部上村外科教室

ページ範囲:P.1011 - P.1013

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緒言
 ビタミン・Eの歴史は比較的新しいがEvans,Emersonがその有効成分として1936α,β—toco—pherolを次で翌年γ—tocopherolを純粋分離し更に1938Karrer等がその合成に成功して以来医療方面へのVit-E応用は急速に拡大し現在迄には多数の臨床報告が各種方面からなされている.
 扨て従来Vit-Eの生理作用として挙げられているのは,抗不妊作用並び更年期障碍の調節,生長促進,各種筋機能の保持,血管脆弱性の補正,神経系及び肝機能の保持,内分泌腺の変性防止,機能維持等で此の為に今迄主として婦人科,神経科,内科,皮膚科の領域に多く用いられて来ているが,外科領域に於てはそれ程実際には用いられていない.殊に最近増加しつゝある血栓性疾患に際しては其の生理作用から利用価値が当然考慮されながらも殆んど使用されていない現状である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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