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綜説
スルファミン懸濁法による気管支造影法
著者: 菅原古人1 菅原正彥1 丸山輝夫1
所属機関: 1札幌医科大学外科学教室
ページ範囲:P.83 - P.85
文献購入ページに移動肺結核はもちろんのこと,肺腫瘍あるいは気管支拡張症等の肺外科における気管支造影法の意義についてはいまさら贅言を要しないところであるが,その造影剤としては造影の美麗鮮明であること,肺胞内に長く造影剤が残らぬこと,排出の速かであることおよび刺戟のないというような諸点が要求される.
さて,気管支造影剤としては,従来専らヨード油製剤のみが使用されてきたが,ヨード油製剤は肺胞の中にまで入るため,Bronchogramに肺胞像を生じ,気管支像の読影を困難にする.又再撮影レントゲン写真にも,前に注入された造影剤が肺胞内に長期間遺残し,レントゲン写真の解読にも支障を来し,又長い間異物として肺内に残留しているため,ヨード中毒,肺炎等をまねく原因となることもある.さらに肺腫瘍では後で行うべきレントゲン深部治療の障碍になること等の欠点を有し,気管支造影剤として理想的でないことが指摘され,新しい気管支造影剤の研究がすすめられ,多くの新製剤が老案されている.これらの大部分は水溶性気管支造影剤で,外国ではJodulon-B,Umbradil,Viskisolなどがすでに製品化されており,日本でも金谷氏のPyracetonとAlginを使ったもの,菅原・山田両氏のSugiuronとPoly—vinyl-Alcoholを使つたもの等が研究され,また市販もされている,
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