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文献詳細

雑誌文献

臨床外科10巻2号

1955年02月発行

文献概要

綜説

クローン氏病の虫垂に及ぼす影響に就て

著者: 三枝正孝1

所属機関: 1吉川病院外科

ページ範囲:P.125 - P.129

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1.はじめに
 今日クローン氏病或は局所性腸炎と云われる疾患は既に一世紀以上に互て種々の名称で記載されている.最初の症例は1806年に記録され1)2),其後Moynihan3),Mayo Robson 4),Brawn 2),Dalziel 6),Tietze 7),Moschcowitz and Wilen—sky 8)9),Mock10),Coffen 11)etc,の報告があつたが実際に臨床上重要な問題として世の注目を引くようになつたのは1932年Crohn,Ginzburg andOppenheimer 12)が之を臨床上及び病理学上特殊の存在としてTerminal ileitis,Regional ileitis(終末廻腸炎,局所性廻腸炎)と命名発表して以来のことである.当時Crohn et al.は本疾患が廻腸終末端に局在するのを特徴としたが其後Harris,Bell and Brunn 13),Anschütz 14),Kapel15),Colp 16),Brown,Bargen and Weber 17),Crohnand Rosenak 18)etcを初め相次ぐ多数の報告によつて消化管のあらゆる部位に発生することが明らかとなり,其の名称の総括的意味をもつて呼ばれるようになった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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