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文献詳細

雑誌文献

臨床外科10巻3号

1955年03月発行

文献概要

綜説

早期胃癌発見への一工夫

著者: 楠卓郞1

所属機関: 1九州大学医学部第二外科

ページ範囲:P.157 - P.162

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1.胃癌早期発見の困難性
 胃癌の根治成績の向上が一にその早期発見にかゝつている事はいう迄もない所であるが,一口に早期胃癌といつても,その意味する所は人によつて異つている.友田教授は,i)腫瘍が小さく,胃切除により病巣の完全な除去が可能なもの,ii)胃壁以外に転移のないもの,即ち臨床的に廓清した淋巴腺に転移の認められないもの,以上の条件を満足するものを早期胃癌として定義されたが,かゝる早期胃癌の発見が極めて難事に属する事は,我々が余りにも多く経験する所である.
 例えば次に示す症例の如き,胃癌の早期発見の必要性を痛感せしめると共に,その如何に困難であるかを示す好適例と云えよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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