文献詳細
症例
文献概要
組織学的にニオジン好性細胞の強度の浸潤を特徴とするエオジン好性細胞骨肉芽腫は,1929年Finziが報告して以来Magnon,Schairer,Lich—tenstein,Farber等の報告を見,本症の病因に就いて種々の論旨がこゝろみられているがその報告例は比較的少い.本邦に於ては高木,浦川両氏による左側脛骨に発生せる1例,山本氏の3例及び吉沢氏の肋骨に発生せる1例の報告が見られる,本腫瘍の好発部位は頭蓋骨,上腕骨,大腿骨,骨盤等であり,また好発年齢は,3〜20歳の若年者に多いと云われる.吾々は最近跛行を主訴とし臨床的には結核性股関節炎に類似した症状を示していたが,X線像で恥骨に発生せる悪性の骨腫瘍を思わせる像を示し,組織学的検索の結果エオジン好性細胞骨肉芽腫と判明した1例を経験したので報告する.
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