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綜説
直視下心臓内手術—特に選択的脳灌流冷却法の考案,並びに本法による心房中隔欠損症手術成功3例について
著者: 木本誠二1 杉江三郞1 浅野献一1
所属機関: 1東京大学木本外科教室
ページ範囲:P.293 - P.304
文献購入ページに移動著者等は約1年前,昭和29年3月20日第526回外科集談会席上,並びに本誌5月号誌上に於て直視下心臓内手術を取上げ,低体温麻酔下に実施した動物実験成績及び臨床手術成績を報告し,特に空気塞栓防止の一法として大動脈弁口バルン閉塞左心耳挿管灌注法について述べた.その後引続き各方面からこの問題を追求して苦闘を重ねて来たが,最近に至つて新しい構想の下に創案研究した方法によつて開放性心臓手術も優秀な成績を得ることが実験的にも臨床的にも略々自信をもつて明言し得る段階に達したので,こゝにその概略を発表し大方の御批判を仰ぎ度いと思う.
なお直視下心臓内手術は各国に於いて現在興味の中心となつており,当然これに関する文献も極めて多数あるが,選択的脳灌流冷却法については吾々と独立にParkins氏の動物実験があるのみであり,臨床実施報告はまだないので,紙数の関係もあつて,特に洩れなく文献を整理掲載する煩を避けることにした.これは何れ稿を改めて詳細に報告する機会があると思う.唯その大体の趨勢は文中に織込んで記述し,又まだ文献として現われない米国内の現況も著者の一人木本が旧臘訪米中に見聞した所により適宜附記した.
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