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文献詳細

雑誌文献

臨床外科10巻5号

1955年05月発行

文献概要

綜説

野兎病は果して急性疾患か

著者: 桂重次1 大原嘗一郞2

所属機関: 1東北大学 2大原綜合病院

ページ範囲:P.329 - P.332

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 野兎病とは野兎間で致死的敗血症をおこし,人間には急性熱性疾患をもたらす細菌性疾患であることには異論のないところで,大正13年大原(八)氏が福島に於て本病を発見して以来の記録にもそのリンパ腺炎が慢性の経過をとることは記されているが「本病は原則として局所疾患なり」と主張している程に経過予後は一般に良好な疾患とされており,実際にも殆んどが急性期の野兎病のみ治療,研究の対象となつておつた.ところが著者らは最近急性期をすぎてからかなりたつて再び思いがけぬ症状で本病が始まることに注目した.その最初の症例は世界のツラレミアを含めても未だ記載されておらないもので,教室の大原らが詳述することになつているが論旨の進展上先ず略述しておく.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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