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文献詳細

雑誌文献

臨床外科10巻7号

1955年07月発行

文献概要

症例

大腿骨々頭辷り症の1例

著者: 行岡芳生1 綿谷茂彌1

所属機関: 1大阪大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.476 - P.478

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 大腿骨々頭辷り症は1889年Müllerが4例を報告し,その後1931年Ferguson,Howorthが70例,1932年Kienböckが8例,1934年Lind—emannが4例,1941年Howorthが52例を報告し,更に1945年Greenは26例36股関節について報告.最近はKlein等が本疾患について詳細な報告を行う等,欧米諸国ではそれ程稀な疾患ではない様に思われるが,本邦ではその報告は比較的少く,1947年片山,仁科両氏が各々内分泌障碍によると思われる小児性内彎股の1例及び2例を報告し,1953年横山及び笠井氏が4例を報告しているにすぎない.更に本疾患の成因についてはMüller,Hofmeister,Kocher等は外傷が例外的であると考え,Sprengel,Ramstedt,Kempf,Lorenz等は外傷を重視し,Drehmann,Walter,Pitzen等は外傷によるものと,非外傷性によるものとの両者を肯定している.更にKienböck等は内分泌異常,特に脳下垂体機能減退を重視している.又Ferguson及びHoworthは細菌感染によると述べている.最近私等は肥胖性生殖器萎縮症と考えられる患者に典型的な大腿骨々頭辷り症を経験したので報告する.唯本患者は性格に異常があり,興奮し易く,為に数日間の入院で退院したので,検査事項は完全には行い得ず,治療は全く行わなかつた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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