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文献詳細

雑誌文献

臨床外科10巻9号

1955年09月発行

文献概要

綜説

骨関節結核の手術成績

著者: 相沢八郞1 野中陽二1

所属機関: 1国立千葉病院外科

ページ範囲:P.595 - P.602

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 現在に於ける骨関節結核治療の趨勢は,充分な化学療法を加味した従来の保存的療法に併行して更に適当な時期に観血的療法を行うのが最も有効な治療システムと考えられている.
 元来,骨関節結核は従来の治療方法に依つても必ずしも難治な疾病ではない.にも拘わらず観血療法の必要性が強調されるのは,第1に治癒経過を短縮し,第2に治癒の確実性を増し,更に今日それが最も嘱目されるのは,第3に術後の運動性保持,即ち可動性治癒と云う問題に曙光をもたらしつゝある点である.其の意味に於て,正しい観血的療法の発達は,化学療法の進歩と相俟つて骨関節結核治療に一大進歩を画したと言つてよい.之は勿論先輩諸家の倦まざる研究業績の成果であり,又今日も尚逐日改善が試みられている.その工夫改良の焦点とされるのは,(1)より迅速且確実に完全治癒を得る手術法 (2)最小の侵襲に依る手術法.(3)機能・形態的に最も生理的に近い予後を得る手術法.の3点にあると考えられる.併し,此の3条件を同時に満足するのは極めて難かしい問題であつて今日も尚,最も屡々関節機能が犠牡に供される現状である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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