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文献詳細

雑誌文献

臨床外科10巻9号

1955年09月発行

症例

蝮咬傷に対するセファランチンの効果について

著者: 小池脩1

所属機関: 1公立豊岡病院

ページ範囲:P.634 - P.634

文献概要

緒言
 蝮咬症は近年,新聞紙上に於て盛に書きたてられ,パトロールカーによつて蛇血清を運搬してかろうじて一命をとりとめたといわれ,蝮に咬まれたならば血清を注射しなければ死ぬものであるとの誤つた考え方を持つ人が多い様である.当豊岡市周辺の農家に於ても,春から秋にかけて,蝮に咬まれる人が年々10人を下らない.我々は昭和28年より蝮咬傷に対してセファランチンを使用し著明な効果を認めている.
 セファランチンは長谷川博士等の研究によつて蛇毒を中和する強力な作用を有することが認められ,昭和27年その臨床的応用例を多数発表せられたのを知り,我々も蝮咬症患者に使用した所,下記症例の如く著効を得たものである.患者によつては当病院をおとづれる前に保健所に於て血清注射を受け,或は血清をもらつてそれを持参して来た者が二三あるが,それ以外の患者に対しては主としてセファランチンを使用した.患者は第2例を除き何れも受傷後1,2時間以内に来院処置したものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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