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文献詳細

雑誌文献

臨床外科11巻1号

1956年01月発行

文献概要

綜説

門脈圧測定法及びその測定基準の高さ決定装置の考案について

著者: 大田満夫1

所属機関: 1九州大学医学部友田外科教室

ページ範囲:P.24 - P.26

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 門脈圧の測定を正確に行うことは極めて必要なことであり,殊に脾内圧の関係,食道静脈瘤内圧との関係を正しく認識する必要のある場合,重要な事柄となつてくる.然るに門脈圧測定には,在来細かい基準は必ずしも定められていないので各人各様に行われていた.このように測定方法が統一されていないと,それぞれの門脈圧値を比較することは困難である.これ迄の研究に欠けていたのは圧を測定する際の一定の基準であつた.多くの研究者が心臓を基準の高さに用いてきた事は,心臓が血液循環のポンプの役を果している関係からよく理解できるが,門脈圧測定の基準としては不適当である.その理由としては先ず心臓は開胸しない限り見えないから,その高さがはつきりしないことである.これに対しては,背の皮膚より10cm前を基準とする方法1)もあるが,これは不正確である.なお心臓の大きさ及び形は人により様々であり而も約10cmの厚さを有するものであるから,たとえ右心耳の中心を基準と考えても,これも当然不正確なことを免れえない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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