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文献詳細

雑誌文献

臨床外科11巻1号

1956年01月発行

文献概要

綜説

悪心,嘔吐,吃逆に対するContominの作用

著者: 田中早苗1 內梅一成

所属機関: 1岡山大学医学部陣内外科

ページ範囲:P.27 - P.29

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緒 言
 1950年フランスのRhone-Poulenc研究所で合成されたフェノチアジン系アルキルアミン誘導体たるChlorpromazine(Contomin)は抗アドレナリン作用,鎮静作用,代謝降下作用等を有しており,冬眠麻酔に使用されていることは衆知のことである.その本剤の薬理作用に就て多くの研究が相継いで行われ,本剤には驚ろく可き多方面への作用が認められ,既に精神科,婦人科領域に於ては広範囲に使用されている現況である.
 本剤の呈する制吐作用は1953年D. G. Friend及びJ. F. Cumminsに依つて報告されたものであるが,その後多数のものによつて実に広範の悪心,嘔吐に対して応用せられている.即ち,薬剤投与に原因する嘔吐,感染性嘔吐及び中毒性嘔吐(糖尿病,尿毒症,放射線症等),胃腸の炎症に基くもの,その他悪阻,メニエル氏症候群,紳経性嘔吐,術後或は麻酔後の嘔吐,乳児の習慣性嘔吐等多方面に亘つて使用され,著しき効果を認めたと報告されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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