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綜説
瘢痕性障碍並びに関節強直に対するナイトロミン局所使用としてのイオントフォレーゼについて—悪性腫瘍の治療
著者: 小縣昇1 河野裕1
所属機関: 1九州大学温泉治療学研究所
ページ範囲:P.687 - P.691
文献購入ページに移動緒言
我々は先きにナイトロミンイオン導入に著想し1),その作用機序,実施要領並びに臨床成績について報告し,其後イオン導入自体の滲透性に就いては動物実験を行い,従来の平流電気発生器に比しオーゴスペルの滲透性がより大である事を立証した2).そこで更に外科領域に於て種々の瘢痕,即ち線維母細胞の増殖を基調とする結合織の異常増生症,並びにそれに依る種々の障碍に対し本法を施行し,他の療法では見られなかつた著効を得,又他方皮膚乃至皮膚に近い新生腫瘍に対しても認むべき効果を得たと考えられたので,それらの臨床成績につき少しく検討を加えて見た.
我々は先きにナイトロミンイオン導入に著想し1),その作用機序,実施要領並びに臨床成績について報告し,其後イオン導入自体の滲透性に就いては動物実験を行い,従来の平流電気発生器に比しオーゴスペルの滲透性がより大である事を立証した2).そこで更に外科領域に於て種々の瘢痕,即ち線維母細胞の増殖を基調とする結合織の異常増生症,並びにそれに依る種々の障碍に対し本法を施行し,他の療法では見られなかつた著効を得,又他方皮膚乃至皮膚に近い新生腫瘍に対しても認むべき効果を得たと考えられたので,それらの臨床成績につき少しく検討を加えて見た.
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