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文献詳細

雑誌文献

臨床外科11巻10号

1956年10月発行

症例

外傷に継発したCandida症の一治験例

著者: 前原三郞1 高舜琛1 佐々田武1 眞継猛1 中島重雄1

所属機関: 1京都府立医科大学整形外科

ページ範囲:P.705 - P.708

文献概要

 ペニシリンに引き続く諸種抗生物質の発見によつて幾多の難病も征服せられ,外科方面に於ても感染の危惧なく安んじて手術を行い得る様になつた.その反面之ら抗生物質の使用が普及し,それが広範囲に安易に投与せられる事に伴つて,副作用として最近アナフィラキシー症状を示して死亡した例が相次いで報告せられている.又不感受性菌属の菌交替現象に起因すると考えられる諸症状が現れることは夙に注目せられている事実である.
 最近外傷後の感染に依つて広範囲な皮下蜂窠織炎を起し,強力に抗生物質を使用したがその効なく,甚だ重症となつて吾々の教室に入院した患者の血液からCandida菌を検出し,之を已知のCandida albicansによる凝集反応によつてCa—ndida症と診断し得て之を治療し,貴重な一命を救うと共に下肢切断の悲劇を免かれた症例を経験した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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