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文献詳細

雑誌文献

臨床外科11巻12号

1956年12月発行

文献概要

症例

脈無し病(Pulseless Disease)の1例

著者: 田口一美 多胡健吾 末永泰三 水田勝

所属機関:

ページ範囲:P.853 - P.855

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緒言
 最近吾々は脈無し病の1例を経験し,逆行性大動脈撮影法によつて,その血管変化を比較的詳細に検討する事が出来,吾々の経験例が外科的に血管吻合等で治療出来ない段階にまで進行しており,特に本症の早期治療を痛感したので,こゝに報告する.
 清水教授による詳細な病態生理学的研究と外科的治療の可能性が発表せられて以来,殊に関心を深めたのもあろうが,本邦に於ける本症の報告は比較的多数にのぼつているが,不幸にしてその根治的療法によつて治療せしめ得た例は少い.特に血管外科の進歩した今日,病変の範囲が限局されている発病早期であれば,根治せしめるのは左程困難でないと考えられるのに,本例がそうであつた様に外科的治療される患者は晩期に失している感が深い.以下吾々の報告する例がこの意味で何等か寄与するところがあれば幸いである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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