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文献詳細

雑誌文献

臨床外科11巻13号

1956年12月発行

文献概要

特集 吐血と下血 綜説

出血と輸血・輸液

著者: 東陽一1

所属機関: 1九州厚生年金病院

ページ範囲:P.891 - P.900

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1.出血と失血
 生体において血管が破れて危険状態に陥る場合その出血血液によつて,生命保持に直接重大関係をもつている器官が侵されるようなとき,例えば脳内出血などは別として,出血血液量が,その個体に対して,大量に過ぎて,体内循環血液量に不足を来たし,二次的に生命保持機能が不全に陥り,ショック状態を招来するのが失血である.
 昔から全血量の3分の1が失われるときは危険であるといわれているけれども,それは一つの水準を示すだけであつて,実際上には,出血時間の長短,破損血管の種類,個体の健康状態,外傷に伴う他組織・器官の損傷程度などによつても,大なり小なり相違するものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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