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文献詳細

雑誌文献

臨床外科11巻2号

1956年02月発行

文献概要

綜説

手術後カリウム代謝の臨床

著者: 小池重義1 黑柳彌壽雄2

所属機関: 1飯山赤十字病院外科 2名古屋大学医学部第二外科教室

ページ範囲:P.77 - P.81

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§緒言
 外科侵襲と輸液の研究に於て,蛋白,水分投与の問題と共に,電解質平衡に関する検索は数多認められるが,従来カリウムの変動に就いては余り考慮されていなかつた.これはその特異とする臨床的所見を欠き,血清ガリウム濃度が10m.e.q/l以上に上昇しなければ心臓の障碍を引き起さず亦細胞膜は陽イオンを比較的透過させないと考えたからである.
 身体内のカリウム含量は平均175grで体重の0.25%を占め,この内約3grが細胞外に存する1-3).このカリウムは食餌中に1日平均3〜4gr含まれ,1〜2grのカリウムは腸内に分泌されて再吸收,肝,内臓に直接とり入れられ,そこから再び血清中に出て,筋細胞,赤血球,脳及び骨髄に吸收,カリウムは細胞境界をこえて,細胞の新陳代謝活動に関係する4).即ちカリウムイオンの存在に依つて糖合成5),組織蛋白合成6)等重要な役割をもつものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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