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症例
嚥下困難を伴う汎発性鞏皮症の1例
著者: 大島昌1 山下九三夫1
所属機関: 1国立東京第一病院外科
ページ範囲:P.205 - P.208
文献購入ページに移動 鞏皮症に就ての記載は,Alibert(1817)がSclèrémieと呼び,Gintac(1847)がSclerodermieと呼んで以来,数多く見られる.其の成因に就ては遺伝,感染,,アレルギー,神経,内分泌説と多くの変遷を経て来たにも拘らず,今日もなお不明である.1936年Selyeの汎適応症候群の提唱以後本症は非特異性防禦反応の失調に由来する疾患群の一つとして,再検討されるようになつた.最近の見解に依れば,本症は,単なる皮膚病ではなく膠原病の一つで,血管結合織の系統的な疾患であり,自律神経又は内分泌障碍より,末梢循環障碍結合織の新陳代謝障碍を来し,遂には結合織の崩壊,弾力線維の変性,膠原組織の膨化を来すと解されて居る.吾々は,最近嚥下障碍を主訴とした汎発性鞏皮症の1例に対し,種々の方面から治療を試みたので報告する.
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