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綜説
重度脊髄損傷の椎弓切除術経験
著者: 木村元吉1 伊藤三郞1 和野邦義1 宮沢昭四郞1
所属機関: 1東北労災病院整形外科
ページ範囲:P.383 - P.392
文献購入ページに移動重度脊髄損傷患者がわれわれに与えている治療上の諸課題は,周知のごとくまことに広範にして,かつその解決への道もまたいちじるしく難渋を極めている.その困難な道は受傷直後から始まり,救急処置から本来の治療への道を辿り,漸くにして更生指導への拠点を経て,職業補導を与え幸に職場に復帰あるいは転換せしめ得ても,その後の管理の道は彼等の生涯を通じて行われなければならないものである.そのどの部面をとつてみても難解であり,かつまた整形外科医を初めとして,外科医・皮膚泌尿器科医・精神科医・内科医等のあらゆる部門に携わる多くの医師と理学療法師・看護婦・栄養士等々の絶えざる綜合結集的な努力を必要とするものである.
東北労災病院は,その性格上,勢い脊髄損傷患者の集積する傾向があり,開設以来現在までに44例の患者が入院し,これを対象として上述諸課題につき逐次検討をすゝめているが,本論文はその一部である手術的療法,ことに椎弓切除術経験について述べたものである.
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