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文献詳細

雑誌文献

臨床外科11巻6号

1956年06月発行

文献概要

綜説

新局所麻酔剤キシロカインの臨床使用経験

著者: 德岡俊次1 緒林健治1 武田智汎1 福島正1

所属機関: 1山口医科大学外科学教室第2講座

ページ範囲:P.413 - P.420

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緒言
 1884年ウィーンのK.Koller及びS. Freundが新局所麻酔剤としてコカインを使用してから既に70年,Einhornがプロカインを紹介してから50年になるが,その間2000にのぼる夥しい局所麻酔が踵を接して紹介された.しかしその殆んどが何時の間にか淘汰されていつて,今日一般に信頼して用いられているのはコカイン,プロカインヌペルカイン,メチカインの4種に過ぎない.ところがこの4種のものも決して理想的な局所麻酔剤とは云いがたく,例えばプロカインは麻痺の発現は比較的速かで,安全性も亦大きいが,麻痺持続時間が短く,溶液中で不安定であるという欠点がある.メチカインは持続時間は前者より長く,溶液中でも安定であるが,麻痺発現迄の所謂潜伏時間が比較的長いという憾みがある.コカイン,ヌペルカインはプロカイン,メチカインに較べると,その表面麻酔力は確かに大きいが,注射の目的には注意を要する欠点がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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