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文献詳細

雑誌文献

臨床外科11巻6号

1956年06月発行

文献概要

症例

舌に発生せる神経鞘腫

著者: 馬場甫1 二之宮景光1

所属機関: 1東京大学医学部木本外科教室

ページ範囲:P.431 - P.435

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緒論
 舌に発生する良性腫瘍,殊に神経性の腫瘍は稀で,Froboese(1923)は舌に発生した蔓状神経腫,神経膠腫,神経線維腫症性巨大舌及び神経鞘腫の症例を報告しているが,それらの頻度については従来の文献では明らかな記載を知り得なかつた.我々が茲に論ずる神経鞘腫は,組織学的に所謂"Verocay Neurinom"として1908年に提唱されたもので,従つてその歴史も浅く舌に発生した神経鞘腫の報告も少い.即ちRobertson(1951)は自験例を含め14例の報告しかないといゝ,著者が知り得た本邦に於ける報告も昭和9年の丸山の第1例以来10例に過ぎない.Stout(1935)は末梢神経の伸経鞘腫に就いて論じ,Willis(1948)は神経鞘腫一般に関して述べているが,舌の神経鞘腫に就いての総括的な報告はない.
 最近我々は臨床診断舌癌の下に舌腫瘍の切除を行つた患者で,組織学的に舌の神経鞘腫と診断された1例を経験したので之を報告し,併せて従来の舌の神経鞘腫の報告を総括して述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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