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文献詳細

雑誌文献

臨床外科11巻8号

1956年08月発行

綜説

創接着剤の効果に影響をおよぼす2,3の因子について

著者: 高橋長雄1 岩井邦夫1 梅谷惠子1 高橋民子2 葛西健治2

所属機関: 1札幌医科大学外科学教室 2札幌医科大学生理学教室

ページ範囲:P.527 - P.534

文献概要

緒言
 創接着剤の研究はYackel & Kenyon(1842)1)2)らのOxydized Cellulose,Bering(1944)3)のFibrin foamをもちいる被吸收性物質による止血作用の研究にその端緒を発しJenkins etc4)5)Correll & Wise6)(1945)のGelatin spongeによる止血,縫合補強剤としての用途の発見によりGelatinがこの分野にもちいられはじめ,弓削氏により創縁接着作用を主とするGelatin末なるBiogelatinの創製をみた.
 およそ第一期癒合による創傷治癒をうるには,創縁がまず密に接着することが必須の条件である.したがつて理想的接着剤はまず第一の創縁の各組織層を均等に,また皮膚移植のごときばあいには皮膚下面と下部組織が一様に密接して死腔を残さないことが必要である.しかしてこの接着には内外から作用する張力に拮抗して容易に剥離しないだけの物理的強靱さが要求される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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