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文献詳細

雑誌文献

臨床外科11巻8号

1956年08月発行

綜説

胸部手術時血管安定剤アドナの使用経験

著者: 高浦一1 宇津尚2 中嶋誠2

所属機関: 1国立兵庫療養所 2関西電力三田療養所

ページ範囲:P.555 - P.557

文献概要

 これまで止血剤として市販,使用されたものゝ多くは,血液凝固機転を促進して出血を抑制せんとするものであつたが,1943年全く薪作用機序にもとづく新止血剤としてアドレノクロム・モノセミカルバゾンがF.Barconnerにより発見された.本剤は生理的に著明な止血作用を有し,かつ毛細血管の抵抗性を増大し,透過性を減少して血管壁自身を強化し,しかも血液成分にはいかなる変化も与えず,又アドレナリン様の血圧上昇,脈搏数の増加を来すこともない,優秀な血管強化作用ならびに止血作用を示すほか,筋強化,筋代謝作用,糖代謝に対する作用,ストレス緩和作用があると云われている.
 最近,我が国に於ても,このアドレノクロム・モノセミカルバゾンをアドナなる名称で市販される様になつた.我々は胸部外科手術に際して本剤を投与し,術中出血量及び術後排液量に及ぼす影響等を検討したので,その大要を報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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