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綜説
副腎庇護の研究—殊にその概念と2,3の新知見に就いて
著者: 八田秋1
所属機関: 1九州大学温泉治療学研究所
ページ範囲:P.1 - P.7
文献購入ページに移動 副腎皮質機能の外科臨床に於ける意義は,本機能が極度に障碍されない限りは臨床的に捉え難いため,何か漠然としてはいるが,今日,その臓器が生命の維持に必須のものであることを疑う者はいない.その広範且奥深い生理作用は,Cortisone等の皮質ホルモン並びにその誘導体の殆んど万能に近い生体作用からも窺い得る所である.殊に外科手術の様な外来障碍が加わる場合に,生体防衞反応の主軸をなすものは間脳下垂体副腎系であつて,このことは多数学者の夥だしい業蹟によつて各方面から実証されて来た.
我々も過去数年間の臨床的並びに実験的研究によつて,副腎皮質が地味ではあるが非常に重要な機能を営んでいることを知り,この認識に立つて本機能の庇護法或は強化法について研究を進めて来た.今日までの成績はその都度学会或は誌上に報告したが,我々の云う「副腎庇護」の概念が,我々の怠慢の故もあつて未だ充分には理解されていない様である.そこでこゝに稍詳細に説明を加えて責を果すと共に,新しい2,3の知見をつけ加えて見たい.
我々も過去数年間の臨床的並びに実験的研究によつて,副腎皮質が地味ではあるが非常に重要な機能を営んでいることを知り,この認識に立つて本機能の庇護法或は強化法について研究を進めて来た.今日までの成績はその都度学会或は誌上に報告したが,我々の云う「副腎庇護」の概念が,我々の怠慢の故もあつて未だ充分には理解されていない様である.そこでこゝに稍詳細に説明を加えて責を果すと共に,新しい2,3の知見をつけ加えて見たい.
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