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文献詳細

雑誌文献

臨床外科12巻1号

1957年01月発行

文献概要

綜説

先天性股関節脱臼の遺伝

著者: 古庄敏行1

所属機関: 1熊本大学生物学教室

ページ範囲:P.33 - P.36

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 先天性股関節脱臼は一般には歩行の遅延,又は跛行に依つて気付かれるが,実は新生児期より存するもので,その症状がはつきりしないためかわからないのである.
 この関節部の異常状態は大腿骨頭と寛骨臼との異常摩擦乃至圧迫を起し該部がなお軟骨性なる乳児期に於て化骨遅延を来して,そのために寛骨臼の変形を生じて,ますます股関節の固定を妨げ関節嚢の弛緩を来して,起立歩行するようになると尚一層はつきり現われてくるのである.この先天性股関節脱臼は,Hippokrates,以来知られていたが近代に至るまで治療的効果はあげる事が出来なかつたのでありますが,19世紀の末に至つて,Lorenzが非観血的療法を創始するに及んで,好成績をあげ,今日の治療法の基礎をなしたのである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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