文献詳細
文献概要
症例
盲腸單純性炎症性腫瘤の2例
著者: 森芳典1 山田勳男1
所属機関: 1岡山大学医学部第1陣内外科教室
ページ範囲:P.45 - P.46
文献購入ページに移動緒言
腹部の単純性炎症性腫瘤は比較的稀な疾患であるが,発生する場合は廻盲部に好発し,ときに腹膜,大網等にも発生を見る.廻盲部に生じた場合には,同部の限局性腹膜炎,癌,結核,アクチノミコーゼ,卵巣嚢腫,慢性虫垂炎,慢性腸重積,腹筋炎等との鑑別診断が甚だ困難であり,多くはこれらの病名のもとに手術され,組織検査の結果によつて始めて本症であることを発見する場合が多い.
吾々は最近岡山大学医学部第1陣内外科教室に於て盲腸に生じた興味ある本症の2例を経験したので,こゝに報告し,あわせて文献的考察を試みた.
腹部の単純性炎症性腫瘤は比較的稀な疾患であるが,発生する場合は廻盲部に好発し,ときに腹膜,大網等にも発生を見る.廻盲部に生じた場合には,同部の限局性腹膜炎,癌,結核,アクチノミコーゼ,卵巣嚢腫,慢性虫垂炎,慢性腸重積,腹筋炎等との鑑別診断が甚だ困難であり,多くはこれらの病名のもとに手術され,組織検査の結果によつて始めて本症であることを発見する場合が多い.
吾々は最近岡山大学医学部第1陣内外科教室に於て盲腸に生じた興味ある本症の2例を経験したので,こゝに報告し,あわせて文献的考察を試みた.
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