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文献詳細

雑誌文献

臨床外科12巻10号

1957年10月発行

文献概要

症例

左踵骨慢性骨髄炎性瘻孔瘢痕部に発生した皮膚癌の1例について

著者: 糸原公1 野崎成典1 益満義躬1

所属機関: 1札幌医科大学外科学教室

ページ範囲:P.827 - P.829

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緒言
 外的刺戟が癌腫発生に大きな役割りを演ずることについてはVirchowの提唱以来一般に認められているが,とくに皮膚癌はその発生において前駆疾患とのあいだにきわめて密接な関係のあるものである.
 1889年Volkmannが本癌腫の223例について精細な報告をおこなつて以来,潰瘍,瘢痕,瘻孔,レ線照射,慢性化学的刺戟等の持続的な刺戟がしばしば皮膚癌発生にきわめて重要な要因であることが一般に信じられている.われわれは踵骨カリエスと診断され,治癒しがたい瘻孔をのこし,約8年間にわたり種々なる治療をうけて一旦治癒し,その後ほとんど無症状に経過した該部位に,ふたゝび潰瘍を発生し,ついに皮膚癌にまで進展した1例を経験したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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