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文献詳細

雑誌文献

臨床外科12巻2号

1957年02月発行

症例

Xylocaineによる上膊神経叢遮断—クーレンカンプ氏上膊神経叢傳達麻醉

著者: 宇山理雄1 足立政喜1 野口和彥1 中野邁1 飯田瞳1

所属機関: 1京都第二赤十字病院外科

ページ範囲:P.145 - P.148

文献概要

 我国に於ては上膊神経叢遮断法による上肢の麻酔は外科臨床に於て他の麻酔法ほど盛には用いられていない.之は麻酔手技に熟練を要する事も原因の一つであるが,それ以外に局所麻酔剤としての理想を満足させる優秀な薬品が発見されなかつた事がその発展を妨げる大きな原因をなしていると考えられる.
 従来の教科書には上膊神経叢伝達麻酔法に2%Procaine 40ccを要すと記載されており,我々が実際に注射して見ても麻酔効果は本法に余程熟練した人でないと充分と云う訳に行かないし且又,麻酔持続時間が短いと云う救い難い欠点を持つている.局所麻酔剤としてProcaineの外にCoca—ine,Dibucaine,Tetracaine等種々合成されているが之等は麻酔持続時間の長い点に於てProcaineに勝つているが毒性の強い点に於て欠点があり,上膊神経叢遮断に応用されるに到つていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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