臨床外科12巻3号

1957年03月発行

綜説

スクリーニングテストとしての簡易血液化学検査法の検討

著者： 飯塚裕¹ 佐治弘毅¹ 內田善敬¹ 石井好明¹ 古屋精一¹ 赤沢章嘉¹ 飯野重之¹ 森岡幹登¹ 上村実¹ 相馬智¹ 田中茂男¹ 國谷昭¹ 陶易　王¹ 堀越彌太郞¹

所属機関： ¹東大分院外科

ページ範囲：P.183 - P.190

緒言
　最近の病態生理学の進歩により検査成績を中心として，異常の発見，対策の確立を試みることは既に常識となつた．従つて，短時間に多種類の結果の得られる検査方法の採用は，日常の診療に於ては切望されているが，従来行われている方法はその複雑な点，長時間を要する点等，不便な点が多い．
　われわれは，さきにMandel等による簡易血液化学検査法^1）2）に着目し，これは数種の検査法^3）4）5）を組合せて，少量の血液を用い，11種の検査を簡単に且つ短時間に行い得る方法を工夫し^6）7），当外科の入院及び外来患者に多数施行して，この方法が臨床的に十分使用出来ることを確認したのでこゝに報告する．