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症例
2年7ヵ月の女児に見られた急性膵臟壞死の1例
著者: 久野一郞1 中田久夫1 上田太2
所属機関: 1劉外科病院 2上田医院
ページ範囲:P.349 - P.351
文献購入ページに移動従来,急性膵臓壊死が稀れな疾患であるとされていたのは,頑固な胃痙攣,胃乃至十二指腸潰瘍,急性虫垂炎,胆嚢炎,高位腸閉塞等との鑑別診断が困難で見逃されて,他の疾患と誤診される事が多かつたためで,最近では診断技術の進歩と共に,本症への関心がたかまつて,内外共に多数の報告を見る様になり,これ迄考えられていた程稀れな疾患ではないとされるに至つている.
しかし本症は文献によると大体20〜50歳台に多く,幼小児には欧米でも,本邦でもその発生は非常に少ない.最近我々は満2年7ヵ月の女児に発生した本症を開腹によつて確めた1例を経験したので,従来の幼小児に見られた本症の文献を渉猟検討して,幼小児に於ても膵臓壊死の存在する事を一応念願において診察すべきであると強調したい.
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