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文献詳細

雑誌文献

臨床外科12巻4号

1957年04月発行

症例

乏尿に対する塩酸プロカイン静注療法

著者: 古本雅彥1

所属機関: 1岡山大学医学部津田外科教室

ページ範囲:P.356 - P.359

文献概要

緒言
 塩酸プロカイン(以下「塩プロ」と略す)は1905年Einhornによつて合成されて以来,優秀な局所麻酔剤として広く使用されている.之を血管内に初めて使用したのはBier(1909)であり,その後Lericke,Lundy,Gordon,Allen,Winterらの多くの人々によつて特発性脱疽,気管支喘息,血清病,外傷又は術後疼痛などに用いられその効果が認められている.又本邦においても伊藤,岩森,福原らによる特発性脱疽などの末梢血管障碍関節炎その他の疾患に対する有効例が報告されている.一方本療法が乏尿,無尿に有効であつたという報告はLangeron(1946),Darget(1947)によつて行われているが,Marchand(1949)は火傷ショック後の乏尿に有効であつた症例を発表,又Serwer(1954)は31例の妊娠中毒患者の乏尿に塩プロ静注療法を行い,21例に著明な利尿効果を得たと報告している.著者は当教室に入院中種々の原因で起つた21例の乏尿患者に本療法を試み,第1表の如く著効4例,有効6例,無効2例の結果を得たので報告し,併せて人工腎臓の未だ広く普及していない現在,乏尿に対する本療法の御追試をお願いする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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