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綜説
自律神経人為的変調時に於ける末梢血行の態度(第2報)—特に環境変化に対する順應性に就いて
著者: 天瀨文藏1 矢野進1
所属機関: 1
ページ範囲:P.387 - P.390
文献購入ページに移動 Phenothiazine誘導体特にChlorpromazine(以下CP)が所謂人工冬眠剤として,又それの広範且つ強力な自律神経遮断作用が注目されて一躍時代の脚光を浴びるに至り,又未だ尚その薬理作用を始め,幾多の不明な点が解明されずに残されている現況にも拘らず,既に臨床方面に於て極めて広範囲に応用され,我々も又その経験を重ねるに及んで,従来の自律神経特にその臨床に関する認識に就いては,一部尚再検討すべきものあるかの如き感さへ懐かしめるものがある.即ちこれらの所謂冬眠剤と,従来の自律神経毒,その他神経節に於ける遮断術等との間には,夫々の人体に及ぼす影響に於て可成りの隔りの存する事を痛感するのであるが,一方には又,後述する如き神経支配脱落血管に時としてみられる合目的から離れた反応,更に環境変化に対する順応性の減退,ひいては生活維持上の予備力低下等の問題に対しても,特に本剤の自律神経遮断作用が強力且つ広範囲に亘り,而も長期間連用される事も少くない点からみれば,茲に更に一層充分な検討を加える余地も尚あろうかと思われる.
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