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文献詳細

雑誌文献

臨床外科12巻5号

1957年05月発行

文献概要

綜説

イルガピリン坐薬の臨床経験—他の投與法との効果の比較

著者: 川村次郞1 田口貞文1 阿部光俊2

所属機関: 1東京都立墨田病院整形外科 2東大医学部整形外科教室

ページ範囲:P.391 - P.395

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Ⅰ.はじめに
 リウマチ神経痛の治療剤イルガピリンに就いては既に著者始め多くの文献2,3,4,6,7,10,23,25)があり多言を要しないが,簡単にその沿革に就いて述べてみたい.急性関節リウマチにアミノピリンの大量衝撃療法が有効な事をSchottmüllerが提唱して以来それを容易にする為の注射療法が研究された。偶々1949年Geigy社のH. Stenzlが水溶性ピラツオール誘導体phenylbutazone(Butazolidin)を合成したが,此れはアミノピリンを高濃度に水に溶解させると共に,Butazolidin自身優れた消炎鎮痛作用を有し,アミノピリンの大量衝撃療法を一般化した.
 イルガピリンは始めてスイスに於て,次いで欧米各国に於てリウマチ,痛風,強直性脊椎炎等に優れた効果を示す事が報告され,副腎皮質ホルモン製剤と共にリウマチ治療には欠く事の出来ないものとなつている.更に神経痛,癩患者の神経及び関節痛11),重症の癌患者の疼痛19)に対しての臨床効果の報告もみられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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