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文献詳細

雑誌文献

臨床外科12巻5号

1957年05月発行

症例

片側嚢腫腎の1例

著者: 大島幹雄1

所属機関: 1いすゞ病院外科

ページ範囲:P.413 - P.415

文献概要

 本症は初生児から60歳以上までの各時期に見られるが,30歳以上が大部分を占める.発症に就てはVirchow以来多数の報告あり,本邦では明治44年以来195例の報告がある.発生原因には未だ定説はないがVirchowは胎生期の結合組織性腎乳頭炎による小集管の閉鎖で尿貯溜を来し嚢腫を形成するとし,Wilksは先天性奇形説を唱えRibbertは腎髄質,腎盂,尿管を形成する原基と皮質を作る原基との接合異常のため分泌液が流れずに貯り腎小体,曲尿細管が拡張して嚢腫を作ると報じている.又Brigidi,Serveriは腫瘍説を唱えた.私は最近右片側嚢腫腎を経験し,同時に手術的に摘出した腎輸尿管に嵌入した結石の存在を認め,本症の発生に結石の存在が機因となつたものゝ如く思われた一例を報じ諸家の御批判を仰ぎたいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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