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症例
混合感染を伴つたPapillary cystadenoma lymphomatosum(Warthin's tumor)の1例
著者: 星和夫1 陳振栄1
所属機関: 1東京医科歯科大学第一外科教室
ページ範囲:P.417 - P.421
文献購入ページに移動耳下腺は元来腫瘍の発生し易い臓器であるが,其の大部分は混合腫瘍及び悪性腫瘍である.比較的発生頻度の少い良性上皮性腫瘍の中でPapillary cystadenoma lymphomatosumは特に稀有な疾患である.本症は1910年AlbrechtとArztによつて初めて記載され,Adenolymphoma,Warthin's tumor,Onkocytoma等,種々な名称で呼ばれており,アメリカに於ては可成りの症例が報告されているが,我が国に於ける報告例は極めて少く,文献によると昭和10年松島氏の報告以来田中・並木・木村・大橋・米川氏等の数例に過ぎない.我々は最近本症の一手術治験例を経験し,而も比較的稀なる腫瘍の想定の下に詳細なる臨床的検索を行う機会を得たので,主として臨床的見地から其の大要を報告する.
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