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文献詳細

雑誌文献

臨床外科12巻5号

1957年05月発行

症例

父子に観察された外科的脾腫

著者: 斎藤明1 馬越査門2

所属機関: 1大阪掖済会病院外科 2大阪大学第二外科

ページ範囲:P.445 - P.449

文献概要

Ⅰ.緒言
 溶血性黄疸に関する報告はMurchison(1885),Wilson(1890)等の記載に始まり,Minkowsky(1900)は一家族三代八名の長期に亘る黄疸,脾腫,ウロビリン尿及び腎臓内含鉄色素沈着等を伴う症例を報告し,之が先天性素因に基き而も生命には影響の少いことを明らかにした.其の後Chauffard(1907)は本疾患に於いては低張食塩水に対する赤血球抵抗の減弱,及び微小赤血球の増力等の存在を明らかにし,こゝにMinkowsky-Chauffard型溶血性黄疸なる先天性系統的疾患の独立性を認められ,其の後記載されたWidal-Hayem型の後天性溶血性黄疸と共に現在では非胆汁性黄疸,脾腫,肝障碍,赤血球滲透圧抵抗の減弱,小赤血球或は球状赤血球の出現,網状細胞の増加等一連の特異なる症候群を伴う一疾患として取扱われている.之等に対して始めて剔脾を行つたのは先天性溶血性黄疸ではMicheliであり,先天性溶血性黄疸ではKahn u. Wynterである(Eppinger)が,Banti及びEppinger(1912)が本疾患の一次的原因を脾機能の異常亢進に基くものであるとの見地から剔脾を推奨してより吾が国に於いても極めて多数の報告例があり,少数例を除いて概して良い結果を得ている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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