文献詳細
症例
文献概要
摘出困難な食道異物に対し手術的にこれを除去することは比較的稀なものであり,かつまた困難なこととされていたが,最近の外科手術の進歩,各種抗生物質の使用,輝かしい気管内麻酔の発達にともなつて容易に摘出可能となり,予後もまた良好となつてきた.
しかし早期に手術を行わねば,長期間の異物停滞による刺戟と頻回の食道鏡操作は食道壁並びに周囲組織に炎症を招き,折角異物は摘出し得ても術後の経過の芳しくない場合が多々見られる.われわれも最近第2,第3食道狭窄部に嵌入せし異物を開胸による食道切開術並びに胃切開術により摘出し得たが術後膿胸を併発し,その管理に苦心せし例を経験したので報告し,あわせて食道異物に対する外科的処置についていささか考察を加えたいと思う.
しかし早期に手術を行わねば,長期間の異物停滞による刺戟と頻回の食道鏡操作は食道壁並びに周囲組織に炎症を招き,折角異物は摘出し得ても術後の経過の芳しくない場合が多々見られる.われわれも最近第2,第3食道狭窄部に嵌入せし異物を開胸による食道切開術並びに胃切開術により摘出し得たが術後膿胸を併発し,その管理に苦心せし例を経験したので報告し,あわせて食道異物に対する外科的処置についていささか考察を加えたいと思う.
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