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文献詳細

雑誌文献

臨床外科12巻8号

1957年08月発行

文献概要

症例

骨盤切除の1例

著者: 西岡久典1 橫山元成1 土屋和道1

所属機関: 1市立西脇病院

ページ範囲:P.668 - P.670

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緒言
 骨盤切除術(hindquater-amputation又はinterinnomino-abdominal operation又はHemipelvectomy)はBillroth(1891)が初めて之を行つたが術後数時間にしてショック死を遂げ,Girad(1895)が最初に成功したものでAriel(1949)によれば158例が蒐集されているに過ぎない.しかし最近に於ては麻酔及び化学療法の発達,ショックに就いての諸問題が解明されるにつれて骨盤切除の問題も種々論義され,特に大腿及び骨盤の悪性腫瘍に対して従来の姑息的療法より飛躍した根治的療法として認識されて来た様である.しかし本邦に於ては未だこの分野に於ける報告は少く僅か桑原,福江,片岡,柏木の諸氏による十数例が挙げられるに過ぎない.
 勿論之を行うにしてもまだ相当の危険率もあり又適応の如何,手術そのものゝ残酷性等種々の躊躇すべき点が残されているが,我々は適応と考えられる骨盤肉腫に骨盤切除術を行い良好な成果を得たので茲に報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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