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文献概要
症例
興味ある蛔虫性穿孔性腹膜炎の1例
著者: 櫛田敏也1 武川藤吉郞1
所属機関: 1医療法人櫛田病院
ページ範囲:P.671 - P.672
文献購入ページに移動緒論
蛔虫の異所迷入は,身体の各部に亘る事が多数報告されているが,今西,松永1)の統計によれば虫垂及び腹腔内迷入は例数203例中夫々40例(20%),22例(10%)あり,その機転としては,腸管壁の炎症潰瘍,手術創等の脆弱部穿通或は逸脱が挙げられている.吾々は多数の蛔虫が虫垂に迷入遂に穿孔して瀰蔓性腹膜炎を惹起し,腹腔内に16条の生蛔虫が,遊泳し,且,蛔虫の腹腔内に現われたと同時に起きたと思われる高度の蕁麻疹をみた1例を経験したのでこゝに報告する.
蛔虫の異所迷入は,身体の各部に亘る事が多数報告されているが,今西,松永1)の統計によれば虫垂及び腹腔内迷入は例数203例中夫々40例(20%),22例(10%)あり,その機転としては,腸管壁の炎症潰瘍,手術創等の脆弱部穿通或は逸脱が挙げられている.吾々は多数の蛔虫が虫垂に迷入遂に穿孔して瀰蔓性腹膜炎を惹起し,腹腔内に16条の生蛔虫が,遊泳し,且,蛔虫の腹腔内に現われたと同時に起きたと思われる高度の蕁麻疹をみた1例を経験したのでこゝに報告する.
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