文献詳細
症例
文献概要
緒論
蛔虫の異所迷入は,身体の各部に亘る事が多数報告されているが,今西,松永1)の統計によれば虫垂及び腹腔内迷入は例数203例中夫々40例(20%),22例(10%)あり,その機転としては,腸管壁の炎症潰瘍,手術創等の脆弱部穿通或は逸脱が挙げられている.吾々は多数の蛔虫が虫垂に迷入遂に穿孔して瀰蔓性腹膜炎を惹起し,腹腔内に16条の生蛔虫が,遊泳し,且,蛔虫の腹腔内に現われたと同時に起きたと思われる高度の蕁麻疹をみた1例を経験したのでこゝに報告する.
蛔虫の異所迷入は,身体の各部に亘る事が多数報告されているが,今西,松永1)の統計によれば虫垂及び腹腔内迷入は例数203例中夫々40例(20%),22例(10%)あり,その機転としては,腸管壁の炎症潰瘍,手術創等の脆弱部穿通或は逸脱が挙げられている.吾々は多数の蛔虫が虫垂に迷入遂に穿孔して瀰蔓性腹膜炎を惹起し,腹腔内に16条の生蛔虫が,遊泳し,且,蛔虫の腹腔内に現われたと同時に起きたと思われる高度の蕁麻疹をみた1例を経験したのでこゝに報告する.
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