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文献詳細

雑誌文献

臨床外科13巻1号

1958年01月発行

綜説

術後静脈血栓症の臨床

著者: 神谷喜作1 川井一夫1 桜井隆1 吉田富貴松1

所属機関: 1名大第一外科教室

ページ範囲:P.23 - P.29

文献概要

 術後静脈血栓症に対する認識は近年逐次たかまりつゝある.しかしその治療法は一般に依然として高挙罨法安静といつた姑息的な域を脱せず,その予防法に至つては全く等閑に附されている.術後静脈血栓症を医家が重要視する所以は勿論肺栓塞症をおこす危惧が存するからである.しかしながら術後静脈血栓症から肺栓塞をおこす率は決して高くない.各種心臓疾患に由来する動脈栓塞症の方が日常我々は接する機会が多い.肺栓塞症と異つて所謂"Postphlebitic Syndrome"として長年月にわたり下肢の腫脹,潰瘍に悩む場合は非常に多い.我々は血栓形成初期に抗凝固剤を使用することにより多くの症例について良好な結果を得ているが,これに反し単に安静療法のみをとつた患者が長年その後胎症に苦しむ事実をみて早期抗凝固剤療法の重大性について,我々の意見をのべてみたいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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