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文献詳細

雑誌文献

臨床外科13巻1号

1958年01月発行

文献概要

外科と薬剤

外科領域におけるAtraxinの使用経験

著者: 菅原古人1 野崎成典1 平井宏樹1 木村博1 谷藤和弘1 今川德郞1 田原良一1 露口幹彥1

所属機関: 1札幌医科大学外科学教室

ページ範囲:P.69 - P.74

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 戦後,医学の進歩は予測しがたいほどめまぐるしく,とくに外科の領域はいちゞるしく拡大して,以前はほとんど不可能と思われた消化器,心,肺,脳などの大手術が,比較的容易におこなわれるようになり,かつ良い結果をえている.それにつれて,一般大衆の疾病に関する常識も,しだいに向上してきたとはいえ,何人たりといえども手術をうけるということにたいする不安,恐怖,または術後の興奮,予後にたいする心配などの精神的動揺は消失するものではない.くわえて精神身体医学が高く評価されている今日,手術に関しておこる患者の精神的動揺,緊張を除くことは,手術そのものにたいしても,またその効果にたいしても,欠くべからざるものであると考える.
 1950年Ludwig & piechがPropanediol誘導体として,2・2-Methyl-n-Propyl-1・3-Propanediol dicarbamate(Miltown)を合成し,Bergerはこれが脳にたいし鎮静効果のあることを発表して以来,Tranquilizer"静める"薬として,主に精神科領域において,とくに不安,緊張状態を中心とする神経症患者に使用し,かなり良好な結果をえ,かつみるべき副作用のないことゝともに新らしい静穏剤,精神安定剤として称揚されている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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