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文献詳細

雑誌文献

臨床外科13巻10号

1958年10月発行

文献概要

潰瘍性大腸炎の内科的療法の限界

著者: 山形敞一1 渡辺晃1

所属機関: 1東北大学医学部

ページ範囲:P.943 - P.954

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I.はしがき
 潰瘍性大腸炎はWilks & Moxon1)(1875)によつて記載され,Boas2)(1903)によつて赤痢菌によるものでないことが強調されて独立疾患と見做されてから,既に半世紀を経過したが,尚お現代医学の直面している最も困難な且つ未知の点の多い疾患の1つである.
 欧米においては比較的多い疾患で,近年増加する傾向を示しており,殊にドイツでは1953年に開かれた第17回ドイツ消化器病学並びに新陳代謝病学会において宿題報告としてとり上げられた.しかるにわが国では従来少ない疾患と考えられていたが,稲田3)(1928)が10例の臨床観察を初めて発表して以来,少しずつ症例報告が見られるようになり,われわれの教室4)でも典型的な症例を報告している.しかし最近では一般に信ぜられているよりもはるかに多いと考えられてきており本年度の内科学会総会では宿題としてとり上げられるに至つた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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