icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床外科13巻10号

1958年10月発行

文献概要

症例

足穿孔症の2例に就いて

著者: 陳蔚芳1 近藤正德1

所属機関: 1順天堂医大整形外科

ページ範囲:P.1001 - P.1004

文献購入ページに移動
 足穿孔症に関しては1852年Nelatonが初めてMaladie singuliere des os du piedとして報告されて以来,本邦に於いても漸時報告せられる様になつたが其の数は極めて寥々たるものである.本症の特徴として.
 1.何れも足部に発生した頑固なる潰瘍である事.
 2.下腿の知覚異常がある事.
 3.潜在性脊椎披裂を伴なう事が多い事.
 4.足部の変形が認められる事.
 5.其の他潰瘍周囲の腐骨形成,脊椎変形,膀胱直腸障碍等が挙げられている.併し之等の症状は全部が本症に必発するものではなく.亦この外にも種々の症状を伴なつて発生する事も報告せられている.本邦に於いては大正末期から斉藤氏外十数例の報告があつたが之等の症例から通覧するに.本症が神経系統と密接な関聠性を持つている事は其の成因を考察する上に重要な役目を果すものである.吾々も最近本教室で本症例に遭遇し,之を交感神経遮断剤の使用及び局所の免荷,安静,感染の防止に依つて経過を好転せしめ得たので茲に報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?