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文献詳細

雑誌文献

臨床外科13巻12号

1958年12月発行

文献概要

薬剤

新局麻薬Epirocainの臨床使用経驗

著者: 神谷喜作1 福田浩三1 鈴木寬1 大村喜八郞1 重富克美1

所属機関: 1名古屋大学第一外科

ページ範囲:P.1161 - P.1163

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 局所麻酔薬は1884年に始めて使用されたCocaineに始まり,Procaine,Nupercaine,Metycaine,Pontocaine等を主剤としてその他極めて多数のものが発表せられて来た.その中Procaineは毒性が少く習慣性がなく滅菌が容易で長期保存も可能であるなどの長所があつて広く使用せられて来たが,その欠点として表面麻酔力の弱いこと過敏症のあること,麻酔持続時間の比較的短いこと等が数えられている.その他のものも矢張り長所と同時に短所もあり,これらの欠点を無くした優秀な局後麻酔薬の出現が待たれていた.
 1943年Löfgren等によつて発表せられたLidocaine(Xylocaine)は,従来の如何なる局麻薬よりも安定であること,伝達麻酔力に於ても表面麻酔力に於てもProcaineを上回る作用を有し,且つ作用が迅速で長い理由から広汎に使用せられるに至つた.我々の臨床使用経験よりしてもこのLidocaineは秀れた麻酔剤であるとの印象を持つているが,たゞ毒性がProcaineの約2倍にあたりこの点まだ十分でないと云われている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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