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文献詳細

雑誌文献

臨床外科13巻2号

1958年02月発行

特集 腫瘍

綜説

腫瘍の化学療法

著者: 秦藤樹1

所属機関: 1北里研究所研究部

ページ範囲:P.174 - P.181

文献概要

1.まえがき
 昭和28年以後の我国死亡統計を見ると悪性腫瘍は循環器病に次いで第二位を占め昭和31年度の死亡総数は81,879名に達している.この状態は欧米に於ても同様である.米国に於ては人口2人に1人は循環器病に,4人に1入は悪性腫瘍に,又10人に1人は神経系統の疾患に関係があると云われている.数に於いては循環器病に劣るがその悪性度に於ては最も高く実に人類最大の敵であつて治療方面に於いても最大難事である.
 癌の治療法の研究は今日に始まつたものではないが細菌性疾患に対する治療法の進歩,特に化学療法の目覚しい発展によつて細菌性疾患の著しい減少がもたらされた結果未だ治療法の確立していない悪性腫瘍に対して化学療法を導入しようとしているのが現在の状態であろう.従つてこゝに述べる腫瘍の化学療法の研究は未だ初期の段階であつて完成したものではない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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