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文献詳細

雑誌文献

臨床外科13巻4号

1958年04月発行

綜説

頭部外傷後遺症患者の労働障碍について

著者: 加藤貞三郞1 川井一夫1 金田秀1 渡辺三郞1

所属機関: 1中部労災病院外科

ページ範囲:P.329 - P.332

文献概要

緒 言
 頭部外傷患者は累年増加の一途を辿り,又頭部外傷者数に対する後遺症者の発生率も年々増加している.之の後遺症の為に長年労働出来ない事は本人家族は勿論,国家社会にとつても重要な問題である.元来頭部外傷後遺症の基本型とも言われるものは,頭痛,眩暈と心身活動能力の低下を主徴とせるもので之は病巣の明らかな場合と異り診断と治療が非常に困難で,斯るものをFriedmann(1892)はvasomotorischer symptomenkomplexとして記載し,Försterはposttraumatischescerebrales allgemeinsyndromと述べた.即ち斯る例は従来の神経学的検査で客観的所見が見付からないからと言つて直ちに労働能力に余り障碍が無いと言う何らの証拠にならない.又Neuroseとの判明も明らかでない.そこで私達は斯る症例に就いて客観的所見を見出す為色々の検査を行い労働障碍となる脳病の所見的を幾分知り得たと老える.今回は気脳写及び血管像より主として検討を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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