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文献詳細

雑誌文献

臨床外科13巻4号

1958年04月発行

文献概要

薬剤

術後痔痛に対するノブロンの使用経験

著者: 高松新一1 前田宏仁1 楠田誠1 藤田力1

所属機関: 1鳥取大学医学部綾部外科

ページ範囲:P.351 - P.354

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 最近漸く術後疼痛除去の問題に関心が嵩まりつゝあり,諸家のこぞつて企図するところはアルカロイド属の所謂麻薬系薬剤に代つて,非アルカロイド系の薬剤で術後疼痛緩和を計ろうとしている事である.アルカロイド系薬剤は優れた鎮痛効果のある反面,悪心,嘔吐,尿閉,腸管麻痺,呼吸抑制等の不快なる副作用や,習慣性の問題があつて,使用に当つて自ら制限があり,この点が術後疼痛に対処して出来得れば非アルカロイド系薬剤を使用して行きたいと考えられる理由である.現在まで術後疼痛除去法に関しては甚だ多数の報告がなされ,使用された薬剤も著るしい数に上つている.しかし,何れもアルカロイド系薬剤に比して副作用は少いが最も大切な鎮痛効果に於ては劣つているか或はその使用方法が煩雑に過ぎるきらいがある.私共の教室においても,数年来,術後疼痛緩和法について綾部,井上ほかがその都度,種々の方法について発表して来たところである1)−14).今度は非麻薬系薬剤であるノブロンを術後疼痛に対して使用してみたので,ノブロンの鎮痛効果については既に幾多の報告15)−20)がみられるにも拘らず,私共の使用成績を発表する次第である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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