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文献詳細

雑誌文献

臨床外科13巻5号

1958年05月発行

薬剤

Lanatoside Cの外科的使用法

著者: 藤本淳1 芝卓彌1

所属機関: 1大阪大学医学部第一外科教室

ページ範囲:P.453 - P.458

文献概要

 ヂギタリス剤は鬱血性心不全患者を取扱う臨床医家にとり必要不可欠の薬剤である.そして現在尚ヂギタリス剤の臨床使用法については丈献が発表されている10)11).最近は使用されるヂギタリス剤として結晶性純配糖体製剤がありLanatosideCやDigitoxinがこれである.これらの製剤の効果の適確性にも拘らず決して普及しているとはいえない.心臓外科が発展して,外科医も鬱血性心不全を伴う後天性心疾患患者を取扱う機会をもつ様になつた.心臓外科の対象者がすべてヂギタリス剤を必要とするものではないが,我々を訪れる後天性弁膜疾患患者の多くは内科的療法の限度以上のものであり,心不全状態のものが多く,手術を行うためにはこの心不全を軽減せしめる必要があるものも決して少なくない.この際のヂギタリス剤としては効果確実で中毒症状の少いものが便なことは当然である.現在一般のヂギタリス飽和にはヂギトキシンを使用しているが,一方ヂギタリス剤の急速飽和を必要とすることも多く,又手術中手術後のヂギタリス剤投与には静脈注射剤を必要とする.我々はこの場合にセヂラニッドを使用して所期の目的を得る事が出来た.その後藤沢薬品より同製剤をヂギラノゲンCとして市販される様になり,現在は該製品を使用している.こゝで現在迄のヂギラノゲンCの使用経験を総括して,臨床効果を批判してみたいと思う.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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