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文献詳細

雑誌文献

臨床外科13巻6号

1958年06月発行

文献概要

症例

特発性総胆管嚢腫に就いて

著者: 長野政雄1 大塚敏文1 友野忠之1

所属機関: 1日本医科大学松倉外科教室

ページ範囲:P.557 - P.564

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 特発性総胆管拡張症(特発性総胆管嚢腫)Idiopathische Choledochuszyste.congenital cysticdilatation of the common bile duct,は1852年Douglassによつて始めて報告された疾患である.Mayo clinicに於ける1926年以前の17,381例の胆道疾患で手術を受けた患者中本疾患は2例であり10),Presbyterian Hospital(New York)の757,000人の患者の中では唯の2例にすぎず15),Whittington Hospital(London England)では26,520人の患者の中わずか1例であると報告されている11).これら報告の示すごとく稀有なる疾患である.然しながら外科学の進歩発達につれて,その報告は次第に増加し現在では300例を算している.我が教室に於ては胆道疾患手術378例中本疾患6例を経験しており,新潟大学外科教室に於ては226例の胆道系疾患手術中2例に本症を認めている32).之等は本邦に於ける他の報告者も述べている如く欧米に比し我が国に本疾患の比較的多い事実を物語つている.最近我々もその1例を経験したので報告すると共に,文献的考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1278

印刷版ISSN:0386-9857

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